2013年1月9日

電子書籍の書き方

紙の本から電子書籍が主流になってくると、小説の書き方も変わってくる。

紙の本は書店で立ち読みをして気に入れば買うが、電子書籍の場合も同様の立ち読みに類するシステムがある。紙の本であれば書店から持ち出すことができない代わりに本のどの部分であっても読むことができる。それに対して、電子書籍の場合は購入した本と同様に端末にダウンロードできるが冒頭部分しか読むことができない。

物語の冒頭で登場人物の紹介や舞台となる背景の記述などがあり、それから本編に入るような構成の小説だと、電子書籍の試読では面白味のない部分しか読むことができない。これでは試読しても購入意欲がわかない。

試読した人が購入しやすいようにするには、まず冒頭でいきなり最初のクライマックスを持ってきて、そののちに人物や背景の詳細を書き、そこから物語を進めていくという手法がとられるようになってくるのではないだろうか。

あるいは、音楽配信がイントロではなくサビの部分を視聴させるように、一番購入意欲がわくような部分を抜粋して試読版を作るという方法もあるだろう。そうなってくると、作家ではなく編集者の腕の見せ所だ。

いずれにしても、商品の買い方が変われば作り方も変わってくる。時代の変化に適応できなければ淘汰されることになる。面白い本はないかと試読版をいくつか読んでいるうちに、ふとそのようなことを考えた。

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