2013年2月27日

KindleとSONY Readerの比較

このところKindleストアで本を買うことが増えてきて、iOSアプリで読んでいたがやはりeInk端末で読みたいのでKindle Paperwhiteを買った。以前から使っているSONY Reader T1と比較してみると、両者の違いがよくわかる。

まずハードウェアの出来は、ソニーの圧勝。T1が旧世代の製品にもかからず。特に二本指スワイプでのズーム動作はT1ではスムーズにズームできるのに対して、kindleではコミックでない書籍の場合文字サイズの変更になってしまう。ページ送りに関しても、T1ではスワイプしたまま指をホールドしたり、ページ送りボタンを押しっぱなしにすることで本をぱらぱらめくるようにページを送り続けることができるが、kindleではタップ1回で1ページ送りとなり、連続ページ送りはできない。

唯一Kindleが優れているのはeInk画面。これは新しいデバイスだから当然だが、照明付きなので暗いところでも読みやすいし明るいところでもハイコントラストだ。

ただしシステムに関してはkindleの圧勝。Kindleはクラウドの統合がうまい。購入した書籍はプッシュ配信でデバイスに配信できるし、端末にない書籍もトップ画面のクラウドを選択するだけでローカルと同じように一覧できる。ソニーも購入した書籍はいつでもダウンロードできるのだが、トップメニューからページを送ったところにある購入履歴メニューからのダウンロードになる。

ここからはKindleの改善すべき点。

まずはページ送り、メニュー表示の動作。Paperwhiteでは縦書き書籍の場合、画面右端のタップで前ページ、画面上部でメニュー、それ以外の広いスペースはどこでも次ページとなる。単体で見た時には合理的で使いやすいのだが、iOSアプリでは画面左右端のタップでページ前後、それ以外の広いスペースはどこでもメニュー表示となる。同じkindleなのに挙動が違うので使いにくい。

また書籍一覧画面もPaperwhiteでは横スクロールなのにiOSアプリでは縦スクロールになっている。アプリ版のようなスムーズなスクロールではなく、ページ送りになるのでスワイプ動作に画面が付いてこない。eInkの特性上スクロール表示が難しいのはわかるが、SONY Readerでは一部画面でスクロール動作を実現しているし、たとえスクロール動作を実現しなくてもそれならスワイプではなくページ送りボタンのタップによる表示切り替えの方が違和感がない。

結論としては、すでにスマートフォンやタブレットでkindleを利用していて、それに不満がないならPaperwhiteを買うことはお勧めしない。eInkのメリットとデメリットを十分理解したうえでヘビーユーザーだけが使うデバイスだ。

とはいえ、個人的にはPaperwhite購入は後悔していない。SONY Readerより完成度は低いもののバッテリー残量を気にせず、直射日光下でも読書できる端末としては十分だ。

ソニーのReaderストアが満足できる状態ならkindleは使わずReaderだけにするが、残念ながら最近のReaderストアは満足できない。他社よりも新刊の発売が1週間遅れになるものがある。それも同じ配信プラットフォームを使っているはずの紀伊國屋よりも遅れる。紀伊國屋で購入した書籍もReaderで読めるのだが、そういう本に限って紀伊國屋で買うとReaderで読めない。そして何より、Readerは未だiOSアプリをリリースしていない。

ソニーに限らず電子書籍ストアはこのところポイント還元セールを頻繁に行っているがReaderストアの場合、月後半のキャンペーンポイントの有効期限がその月限りとか、ポイントを無駄にするか読みもしない本を買うかしかない。

Kindleのハードウェアとしての完成度は今一つだが、ストアとしては今後kindleが一つの勢力として定着するだろう。ハードウェアは次世代機で改善される。しかしストアがなくなると困る。こういった理由で今のところハードウェアの完成度では負けているkindleにシフトしていくのだった。

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