2011年1月27日

メールと電話と Facebook と

このところ日本でも Facebook が話題になっています。本拠地米国はもとより、世界各国で勢いを増している Facebook は、メールや電話のようなツールになろうとしているようですし、一部ではそうなると予想している意見も見受けられます。

しかし、残念ながら私はそうはならないと思っています。メールや電話と、 Facebook に代表される SNS や Twitter のようなソーシャルツールとの間には、いまだ超えることのできない大きな隔たりがあるからです。

電話であれば、それが固定電話であれ携帯電話であれ、どの会社のサービスを利用していようとも、電話番号さえわかれば通話できます。 Skype のようなサービスですら電話番号を取得すれば一般の電話との違いを意識することなく利用できるのです。

メールもまた、 Gmail を使っていようが Hotmail を使っていようが、 Thunderbird ユーザーだろうが Windows Live メールの利用者だろうが気にすることなくメールアドレスだけでやり取りができます。

しかし、いくら Facebook のアカウントを持っていても、 mixi の友人と日記を共有することはできません。 SNS が電話やメールのような基本的なコミュニケーションツールになるには、どのサービスを利用していようが普遍的な SNS アカウントで一括りできる ID とならなければいけないのです。

SNS 間の相互接続は以前より何度も噂が出ていますが、いまだに実現できていません。噂レベルですら、共通規格としてのアカウント ID ではなく、個々の SNS 同士での相互接続というだけです。

Facebook が真に電話やメールと肩を並べるコニュニケーションツールとなりたいなら、すぐにでも世界標準規格の策定に着手するべきなのです。それも利害関係のない外部団体を作るべきなのです。

私は SNS がこれからの世代にとって重要なツールになるという考えには賛成します。しかし、すべての人にとって必要不可欠なツールになるのか、一部の利用者だけのツールになるのかは、標準規格、相互接続の行方にかかっていると考えています。

0 件のコメント: