2008年5月6日

How to prevent hydrogen sulfide suicide

 GIGAZINE に硫化水素で自殺するための情報をネット上から削除するべきか否か?という記事が掲載されています。 GIGAZINE では、毒にも薬にもならないおもしろニュース的なものや、コンビニフーズやファーストフードの試食レビュー以外の、いわゆる主張系の記事ではヒステリックな煽動記事が多く、反対意見ばかりで肝心の代替案がないものが多いのですが、この記事には引用やリンクとはいえ代替案があります。一読の価値があります。

 私の立場は一貫して「臭い物に蓋」的な対応策は非常にまずいやり方であるという考え方なので、警察がネット上で硫化水素自殺の方法を見つけ次第削除依頼するというやり方は非常にまずいと思っています。硫化水素自殺の方法だけでなく、硫化水素及びその原料を世の中からなくしてしまえば硫化水素自殺はなくなりますが、自殺志願者は他の方法で自殺するでしょう。そもそも、硫化水素の原料となる元素をすべて世の中からなくしてしまえば、人間は生きていけません。

 防ぐべきは硫化水素自殺ではなくて自殺です。そのためには自殺を考える人に対して、どう思いとどませることができるかが大切です。

 程度の差こそあれ、今までに一度も死にたいと思うほど思い詰めたことのない人は少ないでしょう。ではなぜそのとき自殺しなかったのかを考えれば、自殺を防ぐことができるのです。それは人それぞれなので一概にこれという対策はないでしょうが、多くの人が自分の体験をもとに自殺を考えている身近な人にアドバイスできればいいのです。

 人はひとりでは生きていけないのです。孤独になれば、容易に自殺できます。しかし、世間とのつながりを保つことができれば、そのしがらみに引きずられて、三途の川を渡ることは難しくなります。そう、より多くの人が孤独な人をこちら側に引き戻すことができれば、自殺はなくなるのです。

 ネット上での情報でもあからさまに自殺を煽動するような記事は問題があるでしょう。それと同様に、ネット上で簡単に自殺情報が手に入るかのように思わせるマスコミの報道も問題です。ネット上の自殺情報を削除するなら、マスコミの報道も規制するべきです。これは表現の自由よりも公共の利益が優先する事例だと考えます。

 警察や行政も自殺を煽動する記事を削除するというネガティブな方法でなくて、自殺を防ぐ情報を増やすようなポジティブな方法をとるとよいのではないでしょうか。

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